2010年2月11日木曜日

花に学ぼう 鳥に学ぼう

このタイトルは一昨年、私が事務局を担ったあるセミナーで、立松和平さんからいただいた色紙に書かれているもの。私の書斎に掲げてあります。今年の年賀状にも私の思いを表現する最適なメッセージとして書かせて頂きました。
彼とは15年くらい前でしたか、食を通じた地域の活性化を皆で考えようと考えたシンポジウムで基調講演をお願いしたときが初めての出会いでした。本日付の松本市民タイムスコラムを執筆している論説子もシンポジストのおひとりでした。私は事務局でした。あの時立松さんは自分で会場まで来るから迎えには及ばないと・・・リュックサックを背負っていつの間にか会場に見えていました。あの当時は,ニュース番組ですでにおなじみの方でした。気さくで朴訥に語るあの語り口が忘れられません。彼は、知床での農業に取り組む想い、そしていのちを継ぐ海への想いをわかりやすく端的な言葉で語ってくれました。勿論、後の懇親会が盛り上がったことは言うまでもありません。今日中に東京に帰りたいと、大丈夫だからとリュックサックを背負ってお一人で松本駅に向かわれた後姿をいまさらながら思い出します。
それから十数年の後、そこでいただいた色紙がこんなにも重く私に語りかけてこようとは。
いつの時代でも大切なものは変わりが無いはずです。当たり前のことを当たり前に人の心に愚直に語りかけることの出来る大きな存在が消えてしまいました。この地球にとって大切なものは何なのか、「仕分け」という言葉に踊る世間に危機感を覚えるのは私だけではないはずです。
自分なりに彼の思いの何万分の一でも伝えることが出来ればと心新たです。